小島さんが初めてパプアニューギニアを訪れたのは、2008年。ちょうど、フリーランスの写真家として活動を始めたころだ。それまでは、出版社の撮影部に所属し、サーフィン雑誌の取材で海外へ行くことが多かったという。「ハワイやタイ、インドネシアなど、いろんな所に行かせてもらいました。今もそうですが、山よりも沿岸部のほうに惹かれて、仕事以外でも、作品を撮るために休日に出かけたりしていました。自分が東京出身ということもあって、東京にはないような自然が豊かな所、面白そうな所を探していて、行き着いたのがパプアニューギニアでした」
もちろん、今もハワイもバリ島も好きだという小島さん。しかし被写体として、より興味を引かれるのは観光地化されていない場所。だからこの取材では、地方の村を選んだ。「まず、バニモという小さい村に行きました。最初、手違いがあって、僕が訪ねるという話が村長に伝わっていなかったために警戒されてしまって、一時はどうなるかと思いましたが、事情を説明してわかってもらえてからは、打ち解けることができました」
国土の9割が手つかずの熱帯雨林で、人々は自給自足の生活。子どもが多く、大家族だという。小島さんは彼らと交流し、撮影を行なった。そして昨年、別の村を訪問。決して治安がいいとは言えない国だが、今度はより自然が残る地域へ向かった。「確かに教育や医療、インフラ、争いなど問題はありますが、その一方で、日本では得られない発見がありました」
写真展のタイトル『ホシヲミル』の“ホシ”は、宇宙の中の一つの星として地球を指す。小島さんは、この星の豊かな自然と、そこに生きる人々を見つめた。空と海の青、木々の緑が鮮やかな土地だが、あえてモノクロでとらえ、その素顔に迫っている。
小島氏より文章・写真の転載許可済み
- 会 期
- 2013年7月24日(水)~8月2日(金)
- 会 場
- コニカミノルタプラザ ギャラリーB (東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F)
- 時 間
- 10:30〜19:00(最終日は15:00まで)
- 休館日
- 会期中無休
- 料 金
- 無料
- 問い合わせ
- コニカミノルタプラザ(TEL 03-3225-5001) http://konicaminolta.jp/plaza/
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